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2019年02月27日 更新

治療や服薬の中断について…

うつ病患者の家族向けコミュニティサイト「エンカレッジ」×「ぷるすあるは」のコラボ、うつ病などを抱えた方のパートナー・配偶者の方から、よくたずねられる質問のコーナーです。今回は、治療や服薬の中断がテーマです。

目次

1.はじめに
2.なぜ、通院や服薬をやめてしまうのか
3.どんな対応をすることができるか?
4.どうしても通院につながらない場合にできること
5.さいごに

はじめに

ご家族がうつになった…それだけでも心配なのに、治療の途中で通院をやめてしまったり、服薬をやめてしまったとしたら、ご家族の心配はいかほどのものか、想像すると胸が痛むばかりです。
うつの方が通院や服薬を中断してしまうことは、少なくありません。
このようなとき、ご家族にはどんなことができるでしょうか。

なぜ、通院や服薬をやめてしまうのか

せっかく繋がった病院やクリニックでの治療をやめてしまうのは、いくつか理由が考えられます。

①「治療の効果が感じられない」場合
主治医の先生に言われてちゃんと薬を飲んだのに、良くなっていることを感じられない。薬を飲むことに意味があるのだろうか。いつまで飲めばいいのか。やっぱり自分の意志の問題なんじゃないだろうか…など、ご本人のこころの中には色々な心配と不安が渦巻[うずま]いていることが想像されます。

②「薬の副作用が気になる、つらい」場合
薬の効果よりも先に、吐き気や下痢[げり]などが気になるようになった。飲み続けることでよくない影響が出るのではないかと不安になる。ネットの情報で副作用について書かれた内容をみて怖くなった…など、薬の服用にまつわる不安も、通院や服薬の中断につながります。

③「病院に行くことがおっくう、しんどい」場合
症状が強く出ているときは、通院のために起きることや身支度をすること、外出すること、服薬の管理がしんどく感じる可能性もあります。また、②とも関係しますが、朝起きたときに薬の影響が残っていて、起きられないこともあるかもしれません。

④「回復してきたのでやめてしまった」場合
つらかった症状が回復してきたので、あとは自力でなんとかなるかもしれない。風邪のときのように薬を飲まなくても安静にしていれば良くなるだろう。など、一番つらい時期を乗り越えたことに安心して、もう「治った」と判断してしまっているかもしれません。

主治医と相性が合わないと感じていたり、もともと何かに「頼る」ということが好きではなかったりすると、より些細なことでも治療をはねつけたくなるかもしれません。
うつはその症状として、不安や否定的な考えがおこりやすい病気です。治療に対しても、不安やネガティブな考えが浮かんでいてもおかしくはありません。
中断の背景にある本人の思いを、正確に聞き出そうと意気込む必要はありませんが、その思いを推測することで、治療再開のヒントになることはありそうです。

どんな対応をすることができるか?

悪化や再発を防ぐためにも、治療の再開につなげたい…。そんなとき、どのような対応ができるでしょうか。

①「治療の効果が感じられない」場合

治療、服薬の効果が感じられないために中断してしまっているときは、あらためて医師(主治医)からうつの治療についての目安や見通しの説明をしてもらうことが望まれます。
ご本人には、「なかなか効果が感じられないと、嫌になってしまうのももっともだよね…。でもこのままの状態が続くとあなたも苦しいだろうし、私も心配だから、もう一度現状を伝えて、治療について教えてもらわない?私も行くから。」などと伝えてみるのはいかがでしょうか。
本人が再度病院に足を運んでくれたら、「薬を飲んでも変化がないように感じるのです。この先の治療の見通しや回復について、もう一度教えていただけますか?」など、治療について率直に主治医に質問してみましょう。
現状や質問を主治医にうまく伝えられるか心配な場合は、現在の症状や状態、聞きたいことをメモにして診察時に伝えたり、医師に渡したりしてもよいと思います。

②「薬の副作用が気になる、つらい」場合

副作用が気になる、またはつらいために治療を中断しているときは、副作用のどのようなことがつらいか、「眠気」「めまい」「のどが渇く」などどんなことが気になるかについて、整理するお手伝いをご家族が一緒にすることができます。
患者さんが薬の副作用が気になる、つらい、と感じていることも、主治医の先生にとって治療上の大事な情報です。遠慮なく主治医の先生に伝えてください。
薬の副作用については、薬剤師さんも相談にのってくれます。遠慮なく、薬剤師さんに相談してみましょう。

③「病院に行くことがおっくう、しんどい」場合

午後〜夕方ごろだと身体が動きやすくなるという方もいらっしゃるので、その場合は通院しやすい時間帯に変えてみる、というのもひとつです。

④「回復してきたのでやめてしまった」場合

「私から見ても、いちばんつらい時より良くなってきたように見えるよ。でも、まだ◯◯(眠れていない、会社を休む、などの残っている症状)もあるし、本調子ではないように見えるから、治療は続けてほしいな。」「再発することも多いと聞いているし、治療をやめてしまってまた前の状態に戻るのはつらいと思うから、先生にいつまで治療を続ければいいのか相談しに行こう」などと伝えてみるのもひとつです。

どうしても通院につながらない場合にできること

本人がどうしても通院を拒む場合、以下のような対応をすることもできます。

・受診に繋がった際にスムーズに相談できるよう、(無理のない範囲で)症状や変化についてメモをしておく。
・様子をみる期間を決める。例えば、「あなたの言う通り、様子をみてみましょうか。でも、◯日(3日〜1週間など)経って、やっぱり症状がよくならないようだったら、病院(または相談しやすい相談先)に、何か取れる方法があるか相談しに行ってみよう」「あなたの言う通り、様子をみてみましょうか。でも、次につらくて仕事に行けないことがあったら、そのときは病院(または相談しやすい相談先)に、何か取れる方法があるか相談しに行ってみよう」などと伝えてみるのもひとつです。

その他、

・家族だけで医療機関に相談してみる。
・自治体の福祉担当や、保健所、保健センター、精神保健福祉センターなどに相談してみる。

などの方法もあります。

さいごに

ご家族が一生懸命に対応したとしても、ご本人の気持ちがなかなか変わらないこともあると思います。ご家族自身のケアも大切に、困ったときや迷うことがあったときには遠慮なくサポートを得ながら、過ごされていってくださいね。

担当

エンカレッジ

執筆者

三瓶真理子(EASE Mental Management代表カウンセラー、公認心理師、臨床心理士)

医療機関(精神科・心療内科)、大手EAPプロバイダー、上場企業の専属臨床心理士を経て、働く人と企業のメンタルヘルス相談をおこなっています。

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