encourageでは、うつ病の治療時期別に家族が直面する課題を把握するため、うつ病患者の家族へのインタビュー調査を実施しました。本調査は、「encourage」のサービスを利用するうつ病患者の家族10名を対象に行いました。
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家族は、患者によくなってもらうために「何をすればよいのか」「誰に頼ればよいのか」がわからない状況で、家族自身の生活や悩み、不安との間でジレンマを感じていた
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家族目線でのPatient Journey※を見ると、各所での課題に対して、家族が手探りで対応している状況がうかがえる
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家族の困りごととしては、特に「病院(主治医)探し」「患者とのコミュニケーションの仕方」「公的支援やその他サポート」に関する情報へのアクセスが挙げられる
※Patient Journey:患者が疾患や症状を認識して、病院での受診や服薬など、治療するまでの「行動」「思考」「感情」などのプロセスを表したもの
家族は、患者によくなってもらうために「何をすればよいのか」「誰に頼ればよいのか」がわからない状況で、家族自身の生活や悩み、不安との間でジレンマを感じていた
「病気を治してほしいが、日々の対応や今後どうすればいいのかについての情報が少ない」「調べたい、考えたいと思ってはいるがその余裕がない。だが、よくなってほしいという気持ちは強い」という葛藤から、家族の悩みがいっそう深まっていくケースも散見されました。
家族目線でのPatient Journeyを見ると、各所での課題に対して、家族が手探りで対応している状況がうかがえる
不調の確認、診断、通院・治療、復帰・復職といった各段階で、それぞれ必要となる情報やサポートがあります。それらを初期段階から整理して提供することで、家族の負担軽減や患者の状態改善につながる可能性があることがわかりました。
例えば診断後は、治療に集中できるように「患者及び家族の希望にあった病院であるかを知る方法」「患者の職場との調整、就労関係で行うべき手続きにはどのようなものがあるか」といった情報が必要とされています。
家族の困りごととして、特に「病院(主治医)探し」「患者とのコミュニケーション」「公的支援やその他サポート」に関する情報へのアクセスが挙げられる
これらの疑問や課題に関する情報に迷うことなくアクセスできる環境づくりを行うことで、患者及び家族の不安や負担を軽減できる可能性があります。
病院(主治医)探しの場合は、「今の状態で、どのような病院にかかればいいのか」「何を基準に病院を選ぶとよいか」「どのような治療内容か」といった疑問や課題に対する情報へのアクセス改善が必要とされています。
患者とのコミュニケーションについては、患者との関係性などによって対応が異なります。そのため、自分とタイプが似た方の体験談やさまざまなケースに応じた対応方法に関する情報が求められています。
公的支援やその他のサポ―トについては、「休職時や退職時にどのような手続きが必要か」「再就職に向けてどのようなサポートがあるか」「治療中に利用できる制度はあるか」など、状態や時期に応じて利用できるサポートや相談先に関する情報の整理が必要とされています。
本インタビュー調査の結果を踏まえて、医療機関、行政、民間企業を踏まえたさまざまなステークホルダーと連携して、「病院(主治医)探し」「患者とのコミュニケーションの仕方」「公的支援・その他サポート」の情報へのアクセス改善に取り組んでまいります。また、本インタビュー調査で見えてきた課題について、オンラインアンケートで量的な検証を行う予定です。
調査名:うつ病患者をサポートする家族へのインタビュー調査
調査対象:うつ病を抱える方の家族
調査期間:2021年9月30日~2021年10月29日
調査方法:encourageを利用するユーザーを対象に60分のオンラインインタビュー調査を実施
対象者数:10名