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2021年02月19日 更新

うつ病の疑いがある本人が病院に行きたがらない場合、家族はどうすればいいでしょうか。

Q.

夫がうつ病ではないかと思うのですが、なかなか病院に行ってくれません。日によって気分が沈んでふさぎこんだり、朝方まで眠れなかったりと、どんどん調子が悪くなっているようで心配です。本人が病院に行きたがらない場合は、どのように説得すればいいでしょうか。

A.

ご本人が精神科や心療内科に行きたがらない場合、身体的な様子に焦点を当ててお話をすると態度が軟化することもあります。

ご主人に受診を勧めるときは「最近眠れていないようだけど、睡眠について病院で相談してみない?」「少し痩せてきているように見えるよ。心配だから病院に行ってみない?」などと声かけをしてみてはいかがでしょうか。

また「あなたは病院に行ったほうがいいと思う」と相手を主語にして気持ちを伝えると、言われた方は「自分のことを否定された」と感じてしまう可能性があります。「(私が)心配だから病院に行ってほしい」「受診してくれると安心できる」と自分を主語にすれば、相手を尊重しながらもしっかりと気持ちを伝えることができるでしょう。

声をかけるタイミングも大切です。ご本人の状態が悪そうなときは無理に話しかけず、調子がよさそうなときに声をかけてみてください。

そのほか、ご本人に元気なときとは違う様子が見えたときは、症状を簡単にメモしておきましょう。メモがあれば、症状が悪化したときやご本人が病院に行く気になったときなどに、どんな状態であったかを医師にスムーズに伝えることができます。また、どうしてもご主人が病院に行けない場合に、ご家族だけで専門家に相談するときにも役立ちます。

監修

三瓶真理子
臨床心理士、公認心理師、EASE Mental Management代表カウンセラー
医療機関(精神科・心療内科)、大手EAPプロバイダー、上場企業の専属臨床心理士を経て、働く人と企業のメンタルヘルス相談をおこなっている。

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